コンサルティングファームで働くコンサルタント。企業の経営課題を解決する打ち手を立案したり、施策を実行したりする集団ですが、プロジェクトの受注には少なからず営業・提案フェーズが必要です。
コンサルティングにかかる費用は数百万から時には数億にのぼります。
クライアント企業にとっても莫大な費用がかかるため、その営業は安価なサービス導入を促すものや単純な広告商品の提案よりも一般的に難易度が高いものです。
元外資コンサル、経営コンサルティング会社経営者の筆者が実践している、高難度のコンサルティング営業を成功させるための5つのコツを紹介します。
コンサルティング営業に必要な要素
高難度なコンサルティング営業を成功させるために必要となる要素は大きく分けると3つになります。
3つの詳細は、「なぜ提案するのか(Why)」、「何を提案するのか(What)」、「どのように提案するのか(How)」。 Why?→What?→How?の順に大切な要素になってきます。
3つの要素を正しく抑えられるように、営業で失敗しないための5つのコツをご紹介します。
コツ①:営業先のビジネス(現状)をしっかり調べる
まず最初のコツは営業先のビジネスの現状をしっかりと調べることです。具体的には以下の観点を見ることがポイントになります。
・どのような理念を持っているのか
・どのような事業を実施しているのか
・どのような規模の会社か
・事業を取り巻く市場環境はどのような状況なのか
・同業他社はどのような状況なのか
これらの点を下調べすることで、大まかに営業先の現状を把握することができます。下調べはリサーチのコツの記事を参考に、効率的に進めましょう。
現状を正確に把握できると、コツの2つ目で紹介する課題の把握に繋がりやすいです。
コツ②:営業先の課題・目的を握る
コツの2つ目は、営業先の課題・目的を握ることです。
営業の際に営業先からリードが来ている場合は、思い切って課題や目的を最初に聞いてしまうのもいいでしょう。
リードが来ているわけではない場合は、コツの1つ目で把握した現状をもとに、営業先が困っていそうなことを想像します。
業界全体の課題を営業先に当てはめてみると想像しやすいです。
課題(Why?なぜ提案するのか?)がわかれば、課題解決につながるプロジェクトの提案をするのみです。
コツ③:自社でできること・できないことを明確にする
コツの2つ目で握った課題を解決する手段として、自社でできることとできないことを明確に切り分けることも重要です。
提案の前にプロジェクトの実現性を確認することが重要であると言いかえることもできます。
ミニマムの提案として自社のみでできることを提案することが第一優先。第一優先のプロジェクトを確実に受注してから長期のロードマップとして、自社でできないことも協力者を探しながらすすめるという提案にできるとベターです。
どこまで自社でできて、どこからはできないのかを明確にしながらWhat?(何を提案するのか?)を営業先に伝えることで、信頼感を得ることが可能です。
コツ④:担当者のパーソナリティを理解する
Why?What?さえ明確になればあとはHow?(どのように提案するのか?)を磨き込むのみです。
How?の磨き込みに重要なのが、営業先の担当者のパーソナリティを理解すること。
人は自分のパーソナリティを理解してくれていると感じた相手に対しては心を開き、提案を承諾しやすい傾向にあります。
しっかりと担当者について調べた上で、提案時のアイスブレイクやたとえ話で相手の好きなことなどに触れましょう。
共通の知人などがいる場合は、ヒアリングをするのがおすすめです。共通の知人などがいない場合は、TwitterやFacebook、ブログなどを探してみましょう。思わぬヒントが隠れていることも多いです。
コツ⑤:身だしなみを整える
そして最後はやはり身だしなみを整えておくということがビジネスマナーの上でも重要です。
Why?What?How?の部分は加点要素でしたが、この最後のコツはマイナス要素をなくすという方向性で重要です。
日本人に多い、ダボダボのスーツではせっかくの良い提案にも説得力がありません。ぜひ自分にぴったりのスーツを購入して、スマートで「この人になら任せてもいいな」と思っていただける印象をもたせましょう。
スーツの購入は様々な型から選べて、コスパが優れているスーツカンパニーでの購入がおすすめです。
また、この機会にスーツと一緒にビジネスマナーについても知っておくべきでしょう。
まとめ
コンサルタントの営業の際に、失敗しないコツを5つ紹介しました。
コンサルの営業は、モノを売るわけではないのでメリットを直感的にイメージさせづらく、難易度が高いです。
しかし、今回ご紹介した5つのコツさえ抑えれば、ロジックで押しやすい商材であるとも言えます。明日の営業からぜひ実践してみてください。
この記事を読んで、コンサルタントという職業に興味をもった方は、コンサル転職にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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文:Agenda編集部